相続税

受け取ったときの「相続税」と、売ったときの「譲渡所得税」 ― しくみと実際の計算方法

相続税シミュレーター

遺産額・相続人・分け方を変えると、その場で税額を概算。

10,000万円=1億円。相続税評価額を入力。

割合は非課税額・債務等を反映した「課税価格」の配分。現金・保険金を含む実際の受取額の割合とは異なる場合がある。配偶者以外は等分、兄弟姉妹は2割加算。

遺産額の入れ方・計算の対象

預金・株式・不動産等を相続税評価額で合計し、債務・控除対象の葬式費用や保険金の非課税額などを反映した正味額を入力。基礎控除は自動計算するので、入力額から引かない。

小規模宅地等の特例、贈与の加算・贈与税額控除、未成年者・障害者控除、二次相続は自動計算しない。これらがある場合は個別の計算が必要。各人の課税価格の千円未満の端数処理等は簡略化しているため、申告額とは差が出る場合がある。

単純な家族構成で全員が上の相続人に当てはまるケースが対象。養子・代襲相続・相続放棄・半血の兄弟姉妹・第三者への遺贈・祖父母の相続は対象外。不動産等の評価額は、そのまま使える現金の額ではない。

評価方法は資産の評価額、特例は控除・特例を参照。

2026年10月4日確認:国税庁 計算方法・税率・法定相続分・配偶者の税額軽減・2割加算。

譲渡益シミュレーター

売却額・取得費・手数料を変えると、税額と残る現金をその場で概算。

① 元の持ち主が買ったとき
② 贈与・相続で受け取ったとき

受取時の税金は前提入力。800万円の贈与・相続で税額が0円になるかは、この画面では判定しない。取得費・期間の承継は所得税法60条に基づく通常の個人間の贈与・相続を想定。

③ 何年後に、いくらで売る?
0=受取日に売却。受取日の指定年数後として試算。

初期例:2023年に100万円で購入→2026年に評価額800万円で受取→3年後に800万円で売却。日付・売却額は変更可能。

取得費は原則、亡くなった人の購入額を引き継ぐ。建物は減価償却後の額。NISA相続は原則相続開始日の終値相当額。取得費・取得日の説明

対象・計算に含めないもの

個人の通常の売却を対象とする概算。相続税シミュレーターとは別計算で、遺産額を自動で取得費には使わない。

損益通算・繰越損失、所得控除の余り、税額控除、取得費加算、空き家等の特別控除、軽減税率は自動計算しない。特例は売却時の2つの特例を確認。暗号資産は売却分に対応する取得原価を入力。複数年・複数取引を合算した申告税額ではない。

金・暗号資産の住民税は所得増加分の10%で概算。控除や保険料が変わる場合を含む一般的な節税比較には使用不可。

2026年9月確認:国税庁 株式等・不動産の長期・短期・金地金・暗号資産・所得税率。

税金を確認するのは受け取るときと、売るとき。必ず両方に課税されるわけではない。相続税は遺産の課税価格、売却時の税金は取得費等を引いた利益から別々に計算。制度確認:2026年10月4日。

このページの構成

上部に相続税と譲渡益のシミュレーター。本文は相続税・贈与税と売ったときの税金に分け、速算表・家族構成別の早見表も掲載。

■ まず整理:受け取るとき・売るときの税金

比較項目相続税売却時の所得税・住民税
かかる場面財産を受け取ったとき受け継いだ資産を売ったとき
課税の対象非課税額・債務等を控除し、対象の贈与を加算した課税価格売却益(売値 − 取得費 − 譲渡費用)
税率法定相続分で仮に分けた額に10〜55%の累進税率株式等は20.315%。不動産は長期・短期で異なり、金の現物等は他の所得と合算して計算
申告・納付の期限相続開始を知った日の翌日から10か月所得税は原則翌年3月15日まで(土日祝は翌開庁日)。住民税は原則翌年度。源泉徴収あり特定口座等は別扱い
かからない場合申告が必要な特例を使わず、課税価格の合計が基礎控除以下利益が出ない場合など。ほかの取引・特例も含めて判断

1 相続税:そもそもかかるか(基礎控除)

まず課税価格の合計と基礎控除を比較。保険金等のみなし相続財産、債務・葬式費用、加算対象の生前贈与も含めて判定する。小規模宅地等の特例で基礎控除以下にする場合は申告が必要。

基礎控除の式

基礎控除 = 3,000万円 + 600万円 × 法定相続人の数

法定相続人の数基礎控除額
1人3,600万円
2人4,200万円
3人4,800万円
4人5,400万円
5人6,000万円

※ 申告が必要な特例を使わず基礎控除以下なら通常、相続税の申告は不要。精算課税の贈与税を還付してもらう場合などは別途申告。

■ 「法定相続人の数」の数え方

  • 法律上の配偶者は常に相続人。内縁の配偶者は含まない。その他は次の順位で判定する。
  • 第1順位:子。先に亡くなった子がいる場合、その子の子(孫)などが代わって相続する。
  • 第2順位:父母・祖父母など。第1順位がいない場合。存命の直系尊属のうち、親等が近い人を優先する。
  • 第3順位:兄弟姉妹。第1・第2順位がいない場合。先に亡くなった兄弟姉妹の子(おい・めい)が代わる場合もある。
  • 相続放棄は「なかったもの」として人数を数える(基礎控除等の税計算上)。実際に相続する人とは区別する。
  • 養子の算入は原則、実子がいれば1人、いなければ2人まで。特別養子や配偶者の実子を養子にした場合など、実子として扱う例外もある。

出典:国税庁 相続人の範囲・養子の人数。代襲相続・養子等は上のシミュレーターの対象外。

2 相続税:資産の「評価額」の出し方

原則として亡くなった日の相続税評価額を使う。売却予定額や購入額とは別。加算する生前贈与などには例外あり。

資産評価額(相続税で数える金額)
現金・預貯金現金は額面。預金は原則、死亡日残高+税引後の既経過利子。普通預金等で利子が少額なら残高で評価できる
上場株式相続開始日の終値。ただし「当日終値/その月・前月・前々月の各月平均」のうち最も低い額で評価してよい
投資信託非上場の投信は原則、その日に解約した場合の受取額(税・解約費用等を調整)。上場ETF等は上場株式に準じる
土地路線価×面積に形状・権利等の補正。路線価のない地域は固定資産税評価額×倍率。購入額の8割と決め打ちしない
建物(家屋)原則、固定資産税評価額。賃貸や一定の分譲マンションは別の調整が必要
生命保険金故人が保険料を負担した死亡保険金は相続税の対象。相続人が受け取る分に、全員合計で500万円×法定相続人数の非課税枠。相続放棄した人・相続人以外の受取分には枠なし
死亡退職金死亡後3年以内に支給が確定したもの等は相続税の対象。相続人の受取分に、生命保険とは別枠で500万円×法定相続人数
暗号資産(ビットコイン等)相続開始日の取引価格
不動産なら必ず評価が下がる、とは限らない

個別の権利・利用状況・評価ルールで計算。2024年以後の一定の分譲マンションには区分所有補正がある。購入額に一律の掛け目を掛けず、小口化商品等の注意は不動産小口化メモへ。

出典:国税庁 預貯金・土地・家屋・死亡保険金・死亡退職金。

3 相続税:計算の5ステップと速算表

相続税は「全員の合計額をいったん出してから、各自の取得割合で分ける」という独特の順番で計算する。まず流れをつかむ。

計算の流れ

① 各人ごとに財産を評価 → 非課税額・債務等を控除し、対象の生前贈与を加算 = 各人の課税価格。これを合計
② 課税価格 − 基礎控除(3,000万円+600万円×人数)= 課税遺産総額
③ 課税遺産総額を「法定相続分」で分けたと仮定し、各人の取り分に下の速算表を適用
④ 全員分を合算 = 相続税の総額
⑤ 総額を「各人の課税価格の割合」で按分し、2割加算や配偶者の税額軽減等を適用 = 納付額

■ 相続税・贈与税の速算表

▶ 相続税の速算表(③で使う。取り分=法定相続分に応ずる取得金額)

法定相続分に応ずる取得金額税率控除額
1,000万円以下10%−
3,000万円以下15%50万円
5,000万円以下20%200万円
1億円以下30%700万円
2億円以下40%1,700万円
3億円以下45%2,700万円
6億円以下50%4,200万円
6億円超55%7,200万円

※ 税額 = 取得金額 × 税率 − 控除額。「控除額」は累進を調整するための速算用の数字。

▶ 贈与税の速算表(贈与年の1月1日に18歳以上・親や祖父母から)

基礎控除110万円を引いた後の額税率控除額
200万円以下10%−
400万円以下15%10万円
600万円以下20%30万円
1,000万円以下30%90万円
1,500万円以下40%190万円
3,000万円以下45%265万円
4,500万円以下50%415万円
4,500万円超55%640万円

※ 贈与税額 =(1年間にもらった財産の合計 − 基礎控除110万円)× 税率 − 控除額。暦年課税の特例税率。年110万円は受贈者1人の年間合計に対して1回で、贈与者ごとではない。一般税率との混在は別計算。

4 相続税:計算例と納税額の早見表

計算例:遺産1億円・配偶者+子2人

前提:遺産の評価額 合計1億円/相続人は 配偶者・子2人 の計3人(非課税枠・借金なしと仮定)

① 課税価格:1億円
② 基礎控除:3,000万円 + 600万円 × 3人 = 4,800万円 → 課税遺産総額 = 1億円 − 4,800万円 = 5,200万円
③ 法定相続分で仮に分ける(配偶者1/2、子は残り1/2を2人で)
 ・配偶者:5,200万円 × 1/2 = 2,600万円 → 2,600万×15% − 50万 = 340万円
 ・子1人:5,200万円 × 1/4 = 1,300万円 → 1,300万×15% − 50万 = 145万円(×2人)
④ 相続税の総額:340万 + 145万 + 145万 = 630万円
⑤ 実際の負担:配偶者が半分相続する場合、配偶者分315万円は配偶者の税額軽減でゼロ → 実際に納めるのは子2人の合計 315万円

同じ遺産1億円でも、配偶者がいない(子2人だけ)なら軽減が使えず、基礎控除も4,200万円に下がるため、納税額は約770万円に増える。家族構成で結果が大きく変わるのが相続税の特徴。

■ 遺産総額と家族構成でみる納税額の早見表(相続人全員の合計・概算)

遺産総額配偶者+子1人配偶者+子2人配偶者+子3人子1人のみ子2人のみ子3人のみ
4,000万円0円0円0円40万円0円0円
5,000万円40万円10万円0円160万円80万円20万円
6,000万円90万円60万円30万円310万円180万円120万円
8,000万円235万円175万円137万円680万円470万円330万円
1億円385万円315万円262万円1,220万円770万円630万円
1.5億円920万円748万円665万円2,860万円1,840万円1,440万円
2億円1,670万円1,350万円1,217万円4,860万円3,340万円2,460万円
3億円3,460万円2,860万円2,540万円9,180万円6,920万円5,460万円

※ 全員が法定相続分どおりに取得し、配偶者の税額軽減を適用。シミュレーターと同じ端数処理後の合計を万円単位に四捨五入。遺産総額は課税価格の合計で、小規模宅地等の特例などは含まない。

5 相続税:控除・特例で軽くする

配偶者の税額軽減・小規模宅地等の特例は、適用後の税額がゼロでも申告が必要。一方、生命保険金の非課税枠や債務・葬式費用の控除等を反映して基礎控除以下となる場合などは、通常、相続税の申告は不要。すべての控除・非課税措置を「要申告」と一括りにせず、条件ごとに確認する(国税庁)。

控除・特例内容ポイント
配偶者の税額軽減1.6億円 または 法定相続分 の多い方まで非課税配偶者に寄せると二次相続(次に配偶者が亡くなったとき)で子の負担が重くなる点に注意。要申告。
小規模宅地等の特例自宅の土地330㎡まで評価額を80%減額配偶者・同居親族・一定の別居親族で要件が異なる。同居親族は原則、申告期限までの居住・保有継続が必要。要申告。
生命保険金の非課税枠500万円 × 法定相続人数故人が保険料を負担し、相続人が受け取る分が対象。放棄した人等の受取分は対象外。死亡退職金は別枠。
未成年者控除18歳までの年数×10万円(1年未満切上げ)法定相続人・住所等の要件あり。控除しきれない分は扶養義務者から引ける場合あり。
障害者控除85歳までの年数×10万円(特別障害者は20万円、1年未満切上げ)法定相続人・住所等の要件あり。過去に受けた控除にも注意。
相次相続控除10年以内に相続が続いたら前回の相続税の一部を控除祖父→父→子と短期間で続いたときの二重課税を防ぐ。
債務・葬式費用の控除借入金・未払税金・葬式費用は遺産総額から差し引ける香典返しや法要(初七日など)の費用は対象外。
生前贈与も加算の対象になる

暦年課税では、相続・遺贈等で財産を受け取った人の対象期間内の贈与を加算。2026年中の相続は原則3年以内、2031年以後は7年以内。延長部分の合計100万円控除など、段階移行と対象者を確認。

出典:国税庁 小規模宅地等・未成年者控除・障害者控除・相次相続控除。

6 相続・贈与にかかわる税金

項目内容ポイント・具体例
相続税基礎控除・計算と控除・特例を確認。申告・納付は相続開始を知った日の翌日から10か月以内。
贈与税(暦年課税)1人あたり年110万円まで非課税。超えた分に10〜55%。例:年200万円なら税額9万円。生前贈与加算の対象者・期間は手続きガイドへ。
相続時精算課税累計2,500万円まで贈与時非課税(相続時に精算)+年110万円の基礎控除(2024年〜)。原則、贈与年1月1日に贈与者60歳以上・受贈者18歳以上の子や孫等。初回の選択届出と2,500万円控除の期限内申告が必要。同じ贈与者について暦年課税に戻れない。条件の詳細。
教育資金の一括贈与(新規適用は終了)非課税措置の信託等可能期間は2026年3月31日で終了。同日までに拠出された金銭等には、引き続き条件に応じて適用。既存契約の管理・残額課税等は金融機関に確認。国税庁:終了と既存分の扱い。
生命保険の非課税枠死亡保険金は「500万円×法定相続人数」まで非課税。受取人や保険料負担者で税目・非課税の可否が変わる。評価額の表へ。

7 売却時の税金:取得費と取得日は「引き継ぐ」

ここからは、受け継いだ資産を売って現金化したときにかかる譲渡所得税。相続税を払ったあとでも、売却益が出れば別途この税金がかかる。

譲渡所得の計算式

譲渡所得 = 売却価格 −(取得費 + 譲渡費用)

通常の相続では、取得費は原則「亡くなった人が最初に買ったときの価格」を引き継ぐ。ただしNISAから相続で払い出された株式等の取得価額は、原則相続開始日の終値相当額。課税口座の株や不動産等は、原則として相続時の時価で買い直した扱いにはならない。取得日も引き継ぐため、前の持ち主が長く持っていれば、あなたも「長期保有」として扱われる。

原則の引継ぎが続く場合は、3世代でも同じ

課税口座の株などを祖父が購入 → 親が相続 → 子が相続、と受け継いだ場合、子が売るときの取得費は祖父が買ったときの価格。途中(祖父→親)の相続時の時価はわからなくても計算に影響しない。必要なのは、いちばん最初に買ったときの購入価格がわかる資料(購入時の計算書・領収書など)。

※ 取得費には購入手数料等も含め、建物は減価償却分を差し引く。取得費不明時は資料の再取得を優先。土地・建物などでは売却額の5%を概算取得費にできるが、資産ごとに条件を確認。国税庁:不動産の取得費が不明な場合。

8 売却時の税金:資産の種類で変わる(早見表)

取得費にはNISAなどの例外があり、売却益にかかる税金も資産ごとに別物。同じ100万円の利益でも、資産の種類で手取りが変わる。

資産課税の区分税率の目安長期保有の優遇取得費加算の特例
不動産(土地・建物)申告分離課税長期 約20%/短期 約39%あり(5年超で低率)あり
株式(上場)申告分離課税約20%(固定)なしあり
投資信託申告分離課税約20%(固定)なしあり
金地金(現物)総合課税(譲渡所得)累進(年50万円の特別控除あり・5年超は1/2課税)ありあり
暗号資産(ビットコイン等)総合課税(雑所得)累進 最大約55%なしなし
円預金の元本・円現金元本の払戻し・受取自体に所得税なし利子は別途課税−−

※ 株式・投資信託の「約20%」は所得税15.315%+住民税5%。不動産の長期も同じく約20%、短期は所得税30.63%+住民税9%=約39%。不動産の長期/短期は「売った年の1月1日時点で保有5年超か」で判定する(相続前の所有期間も通算するが、必ず長期になるわけではない)。いずれも2026年時点の税率。外貨預金の為替差益は別途確認。
※ 「金地金」の行は投資用の現物の売却(営利目的で継続的に行う場合を除く)の話。生活用の宝飾品等は別途判定。純金積立は契約の仕組みで判定する。金融類似商品の金投資口座・金貯蓄口座等は20.315%の源泉分離課税で、50万円控除・1/2課税はない。金ETF(1540等)や投資信託も現物とは別で、上場株式等の課税区分となる。国税庁:金地金と金融類似商品。

9 売却時の税金:見落としやすい注意点

  • 不動産は建物の「減価償却」に注意。建物部分は、取得費から使った年数分の価値の目減り(減価償却費)を差し引いて計算する。取得費が思ったより小さくなり、利益=税金が増えることがある。土地にはこの調整はない。
  • 金は「特別控除 → 長期分を1/2」の順。年50万円は他の総合課税の譲渡益と共用し、短期分から先に控除。前の持ち主から通算して5年超なら長期。1取引ごとに50万円を引くわけではない。
暗号資産は通常、総合課税

2026年の通常の個人取引では原則雑所得。所得税・復興特別所得税と住民税を合わせた最高限界税率は約55.945%。利益全額に最初からこの率がかかるわけではない。取得費加算は譲渡所得が対象なので、雑所得には使えない。将来の改正を今の売却に先取りしない。

出典:国税庁:金の譲渡所得・暗号資産の税務。

10 売却時の税金:早めに売ると使える2つの特例

相続した資産を早めに売る場合に使える強力な特例が2つある。①譲渡所得に使える「取得費加算の特例」と、②相続した実家(空き家)を売るときの「3,000万円特別控除」。同じ家屋・敷地については併用できず、どちらかを選択。別の相続財産の売却は、その財産ごとに要件を判定する。

■ ① 取得費加算の特例(期限は通常、相続開始から約3年10か月)

払った相続税の一部を取得費に上乗せできる特例。取得費が増える=利益が減る=譲渡所得税が軽くなる、というしくみ。

使える条件

相続・遺贈で財産を取得した本人に相続税が課税されていること。相続開始の翌日から、相続税申告期限の翌日以後3年を経過する日までの売却が対象。一定の書類を付けて確定申告が必要。期限は個別の日付で確認。

不動産・株式・投資信託・金には使えるが、ビットコインなどの暗号資産には使えない(通常は雑所得のため対象外)。加算額は売った財産に対応する相続税の一定額で、相続税の全額ではない。譲渡益が上限。

■ ② 空き家特例 ― 相続した実家の売却は最大3,000万円控除

親が一人で住んでいた古い実家を相続して売る場合、譲渡益から最大3,000万円を控除できる特例がある(正式名:被相続人の居住用財産に係る譲渡所得の特別控除)。使えれば譲渡所得税がゼロになるケースも多い、実家売却では最重要級の特例。

要件内容
対象の家屋昭和56年5月31日以前に建築された家屋(旧耐震)で、マンションなど区分所有建物ではないこと
亡くなる直前の状況被相続人が一人暮らしだったこと(要介護認定などを受けて老人ホームに入所していた場合の例外あり)
取得・利用状況売主が家屋と敷地等を相続・遺贈で取得。相続後、売却まで居住・賃貸・事業に使っていないこと等。取壊し後の敷地にも利用制限あり
売却の期限相続開始から3年を経過する日の属する年の12月31日までに売却。かつ2027年12月31日までの売却が対象
売却代金・相手1億円以下の判定には、他の相続人や分割売却分も合算する場合あり。親子・夫婦等の特別関係者への売却は対象外
家屋の状態売却までに耐震基準を満たすか取り壊すこと(2024年以降は、譲渡の翌年2月15日までに買主側が耐震改修・取壊しをする場合もOK)
控除額最大3,000万円。2024年以降、対象家屋・敷地等を取得した相続人が3人以上なら1人あたり最大2,000万円。相続人の総数だけで判断しない
同じ家屋・敷地では、取得費加算か空き家特例を選ぶ

同じ不動産について①と②は選択適用。控除幅は通常②の3,000万円のほうが大きいが、納めた相続税が非常に多い場合は①が勝つこともあるので、両方試算して有利な方を選ぶ。②の適用には確定申告に加えて、市区町村が発行する「被相続人居住用家屋等確認書」が必要(取壊しや売却の証明書類を揃えて申請する)。要件が細かいので、実行前に税理士か市区町村の窓口で確認を。

出典:国税庁 取得費加算・空き家特例の要件。

11 確認した公式情報

相続税の申告期限、基礎控除、税額計算、売却時の取得費・取得時期は次の国税庁資料で確認。個別の特例は適用要件を税務署・税理士に確認する。

免責

本資料は一般的な税制の整理であり、税務上の助言ではない。制度・評価・特例は改正されることがある。

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