会社員・公務員の生涯年収と手取り

学歴・就職年齢・退職年齢・組織規模をそろえ、会社員と警察官を比較

結論

大卒で大規模組織どうしを比べると、全国の警察官と大企業会社員の生涯年収はほぼ同水準です。警視庁は東京都の地域手当や勤務手当があるため、全国平均より高くなります。以前の表で差が大きく見えた主因は、「警視庁・大卒」と「全国・全企業規模」や「高卒」を同じ表で直接比較していたことです。

大企業会社員|男性・大学卒

従業員1,000人以上

60歳まで・退職金込み 約3億2,270万円

手取り目安 約2億3,230万〜2億6,240万円

全国の警察官|大学卒

経験年数別給与を積み上げ

60歳まで・退職手当込み 約3億1,800万円

手取り目安 約2億2,900万〜2億5,900万円

警視庁|警察官Ⅰ類・大学卒

東京都の経験年数別給与を積み上げ

60歳まで・退職手当込み 約3億4,170万円

手取り目安 約2億4,620万〜2億7,800万円

1 条件をそろえた比較

基準年会社員・警察官とも2024年の賃金水準で比較します。将来の物価・賃上げは織り込みません。
就業期間大学卒は22歳、高校卒は18歳で就職し、60歳までフルタイムで働くモデルです。
主な比較相手警察組織の規模に近い「従業員1,000人以上」の会社員を中心に見ます。
手取り現役中の給与・賞与の70〜80%に、退職給付はほぼ額面で残るものとして加えた概算です。

■ 大学卒 ― 22歳から60歳まで

区分給与・賞与退職給付合計手取り目安
全国の警察官・大学卒約2億9,600万円約2,200万円※約3億1,800万円約2億2,900万〜2億5,900万円
警視庁・大学卒約3億1,830万円約2,343万円※約3億4,170万円約2億4,620万〜2億7,800万円
大企業会社員・男性大学卒3億130万円2,140万円3億2,270万円約2億3,230万〜2億6,240万円
全企業平均・男性大学卒2億6,280万円1,840万円2億8,120万円約2億240万〜2億2,860万円
大卒の差

全国の警察官と大企業会社員の差は、退職給付込みで約480万円です。警視庁は大企業会社員より約1,900万円(約6%)高い試算です。「警察官だけ極端に高い」という差ではありません。

■ 高校卒 ― 18歳から60歳まで

区分給与・賞与退職給付合計手取り目安
全国の警察官・高校卒約3億1,470万円約2,200万円※約3億3,670万円約2億4,230万〜2億7,370万円
大企業会社員・男性高校卒2億5,570万円1,840万円2億7,410万円約1億9,740万〜2億2,300万円
全企業平均・男性高校卒2億1,560万円1,440万円2億3,000万円約1億6,530万〜1億8,690万円

高校卒警察官の総額が大学卒警察官より大きいのは、18歳から働き始め、給与を受け取る期間が4年間長いためです。警察官は採用後の昇任制度が学歴だけで決まらないため、後半の給与差も比較的小さくなります。

※警察官だけの退職手当平均は公表されていません。全国の警察官は約2,200万円、警視庁は東京都職員全職種の定年等退職者平均2,343万円を置いた概算です。

2 警察官の生涯年収を年数別に積み上げる

警察官は、平均年齢時点の給与を38年間掛ける方法ではなく、総務省「令和6年地方公務員給与実態調査」の経験年数別・学歴別平均給料月額を、就職から60歳までの各期間に割り当てて積み上げています。

■ 警視庁・大学卒の計算に使った基本給

経験年数平均給料月額
1年未満22万6,000円
5〜7年未満25万9,100円
10〜15年未満30万7,900円
15〜20年未満34万9,100円
20〜25年未満38万1,600円
30〜35年未満41万5,200円
35年以上39万500円

各経験年数の基本給に、2024年の警察職で実際に支給された地域手当・時間外勤務手当・特殊勤務手当などの平均と、期末・勤勉手当4.65か月分を反映しています。警視庁の22〜60歳の給与・賞与は約3億1,830万円、全国の警察官は約2億9,600万円となりました。

以前の約3億4,600万円との関係

年齢別に積み上げ直した警視庁の退職手当込み総額は約3億4,170万円です。以前の約3億4,600万円との差は約430万円で、金額水準は大きく変わりません。ただし、今回の方法の方が若年期から中高年期までの昇給を反映しており、計算根拠として適切です。

3 なぜ以前の表は差が大きく見えたのか

  • 学歴が違った:警視庁Ⅰ類・大学卒と、会社員の高校卒を横並びにしていました。
  • 組織規模が違った:警視庁は大規模組織ですが、会社員側は中小企業を含む全国平均でした。
  • 地域が違った:警視庁には東京都の地域手当20%があり、全国の会社員平均より高くなりやすい条件です。
  • 計算方法が違った:会社員は年齢別賃金の積み上げ、警視庁は平均給与を38年間続ける単純計算でした。
  • 勤務手当が含まれる:警察職の平均給与月額には、時間外勤務・特殊勤務・交替制勤務などに伴う手当が含まれます。
公平に見る組み合わせ

全国の警察官・大学卒全国の大企業会社員・男性大学卒を比べると、退職給付込みで約3億1,800万円と3億2,270万円です。地域を東京に限定した会社員の生涯賃金統計はないため、警視庁は「東京勤務の上振れ例」として分けて見るのが適切です。

4 手取りは同じ方法で概算

手取り目安の計算

現役中の給与・賞与 × 70〜80% + 退職給付で統一しています。退職給付は長期勤続の退職所得控除により、給与より税負担が軽くなるため、ほぼ額面を加えています。

生涯手取りの公式統計はありません。社会保険料、所得税、住民税は、各年の年収・扶養・年齢・加入先・各種控除で変わります。70〜80%は比較条件をそろえるための幅であり、個人の正確な税額計算ではありません。

  • 会社員と警察官のどちらにも同じ70〜80%を適用し、職種によって有利な手取り率を置いていません。
  • 退職金・退職手当は給与と別の退職所得課税で計算されるため、給与と同じ割合を単純に引いていません。
  • 消費税や生活費は手取り後に支払うため、この金額には含みません。

5 この数字の読み方

  • 同じ学歴でも、会社員は業種・企業規模・役職・転職・休職で大きく変わります。
  • 警察官は都道府県、昇任、配属、時間外勤務、特殊勤務、休職、退職時期で変わります。
  • 2024年の賃金を将来38〜42年間に当てはめた名目額であり、物価上昇や将来の給与改定は含みません。
  • 警察官の退職手当は職種限定の平均がないため、総額よりも60歳までの給与・賞与を中心に比較してください。
実用的な見方

生涯年収の順位より、自分の現在の手取り、今後の昇給、働かない期間、退職金制度を年ごとに積み上げる方が、住宅・教育・老後資金の計画には役立ちます。

6 計算の根拠にした公的情報

【免責】掲載額は公表統計を組み合わせた概算で、個人の生涯年収・手取りを保証するものではありません。制度・給与・料率は改正されます。

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