退職後メモ

退職・失業後にもらえるお金、必要な手続き、税金・社会保険料の負担

1 退職・失業後にもらえるお金/払うお金

■ 失業給付(基本手当)の給付日数

離職理由勤続10年未満10〜20年20年以上
自己都合退職90日120日150日
会社都合(例:45〜59歳)180〜270日270日330日

※ 受給要件:自己都合は離職前2年間に被保険者期間が通算12ヶ月以上、会社都合は離職前1年間に6ヶ月以上。
※ 会社都合(倒産・解雇等)は年齢・勤続で90〜330日。自己都合でも「正当な理由」(介護・体調・配偶者の転勤等)があれば会社都合並みになる場合がある。

■ 退職後に関係する制度一覧

制度内容・金額ポイント
失業給付(基本手当)離職前6ヶ月の賃金日額の50〜80%。月給30万円なら日額約5,900円(月約17.7万円)。自己都合は待期7日+給付制限1ヶ月(2025年から短縮)。ハローワークで求職申込が必要。
再就職手当早く再就職すると残日数の60〜70%を一括支給。残90日×日額5,900円×70%=約37万円。「もらい切るより早く決める」方が得な設計。
教育訓練給付離職後も1年以内なら対象。受講費の20〜80%。専門実践教育訓練なら最大年56万円×最長4年。
退職金の税優遇退職所得控除:勤続10年400万円/20年800万円/30年1,500万円/38年2,060万円まで非課税。超過分も1/2にしか課税されない。例:勤続30年・退職金2,000万円なら課税は(2,000万−1,500万)×1/2=250万円分のみ→税額約25万円。
健康保険の選択①任意継続(2年・全額自己負担で月約3万円〜上限あり) ②国民健康保険 ③家族の扶養に入る(保険料ゼロ)。3択を必ず比較。扶養に入れるなら最優先。退職後20日以内など期限に注意。
国民年金への切替厚生年金→国民年金(月17,920円・2026年度)。退職で収入がない場合は免除・納付猶予制度あり。免除期間も年金額に一部反映される。未納だけは避ける。
住民税の請求前年所得に課税されるため、無収入でも前年分(年収500万円なら約24万円)の請求が来る。退職金から一括徴収か普通徴収(自分で納付)を選ぶ。資金を残しておく。
傷病手当金の継続給付在職中から受給していれば退職後も通算1年6ヶ月まで継続可。退職日に出勤すると継続できない等、条件が厳密なので事前確認。
60〜65歳:高年齢雇用継続給付再雇用等で賃金が75%未満に低下した場合、賃金の最大10%を支給。2025年4月から縮小(15%→10%)。
65歳以上:高年齢求職者給付金基本手当の代わりに30〜50日分を一時金で支給。年金と併給できる。65歳前後どちらで辞めるかで受給額が変わる。

※ 退職後にやることの順番:①健康保険の切替(20日以内)→②年金の切替(14日以内)→③ハローワークで失業給付の手続き→④翌年、確定申告(年末調整を受けていないため税金が戻ることが多い)。

■ 退職後の負担シミュレーター ― 1年目・2年目を年収から概算

退職後1年目 約85.7万円
住民税
約24.3万円
健康保険
約39.9万円
国民年金
約21.5万円

退職前年の給与年収をもとに概算

退職後2年目 約2万円
住民税
0円
健康保険
約2万円
国民年金
0円

退職後1年目の給与収入をもとに概算

住民税健康保険国民年金

※ 65歳未満・単身・東京都23区モデルの年額概算です。前年の給与収入が0円でも、国保には1人ごとの均等割があります。世帯の前年所得が軽減基準以下で7割軽減を受ける場合、40歳未満は年約2.0万円、40〜64歳は介護分を含め年約2.5万円です。世帯主やほかの加入者に所得がある場合、所得情報が未申告の場合、加入期間が1年未満の場合などは変わります。住民税は給与所得控除・社会保険料控除等を簡略化。国保は2026年度料率です。任意継続は加入先ごとに保険料が異なるため、退職前に提示された金額と比較してください。

■ 不動産所得80万円がある場合の負担 ― 所得0円の場合との比較(単身・40歳未満、前年も同額が続いた場合のめやす)

項目所得0円の場合不動産所得80万円の場合差が生まれる理由
所得税0円約0.4万円基礎控除58万円と社会保険料控除約14.7万円を引いても課税所得が約7万円残るため。
住民税0円約2.7万円合計所得45万円の非課税ラインを超えるため課税対象になる。
国民健康保険料約2万円(7割軽減)約9.3万円(2割軽減)軽減の判定基準(43万円→74万円)を超え、軽減が7割から2割へ一段階下がるため。
国民年金保険料0円(全額免除)約5.4万円(4分の3免除)全額免除の基準67万円を超えるため4分の3免除にとどまり、本来21.5万円の1/4を負担。
合計約2万円約17.8万円不動産所得80万円のうち約22%が税・社会保険料で消える計算。
不動産所得80万円だと、なぜ負担が一気に約16万円も増えるのか

国民健康保険料も国民年金保険料も、軽減・免除の基準額をわずかでも超えると割引率が一段階まとめて下がる仕組みになっている。80万円という金額は「国保の5割軽減基準(74万円)」と「年金の全額免除基準(67万円)」の両方を超えてしまう水準にあたり、軽減が7割→2割、免除が全額→4分の3へそれぞれ大きく後退する。
結果として、不動産所得80万円(家賃収入から必要経費を引いた後の額)のうち約17.8万円(22%)が税・社会保険料に回り、手取りは約62.2万円(78%)にとどまる。所得0円のとき(合計約2万円の負担で済む)と比べると、「収入があるのに使える金額の伸びが小さい」状態になりやすい。

※ 国保料率は東京都特別区(令和8年度)モデル。医療分・支援金分・子ども子育て支援金分の合計(所得割10.58%+均等割67,073円)。自治体により料率・均等割額は異なる。
※ 国民年金の免除区分は「扶養親族等控除額」「前年に支払った社会保険料控除額等」が加味されるため、実際の基準額は本文中の金額よりやや高くなる場合がある(今回は簡略化して基準額どおりで判定)。
※ 住民税は前年の所得に課税されるため、この試算は「不動産所得80万円の状態が翌年も続く」という定常状態を前提にしている。不動産所得がある場合は、確定申告で青色申告特別控除(最大65万円、要件あり)を使えるかどうかで所得そのものが大きく変わる点にも注意。

【免責】本資料は2026年度(2026年7月時点)の一般的な制度概要をまとめたものです。税率・上限額・適用要件は改正されることがあり、個別の状況により取り扱いが異なります。金額例は概算です。実際の申告・手続きの際は、厚生労働省・日本年金機構・自治体等の最新情報や専門家にご確認ください。

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